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初代ウンベルト・マスカーニは、もともと手先が器用で、どんな仕事にも情熱を持って取り組む、好奇心旺盛な人物だった。農家の手伝いや窓の組立工にはじまり、カメラマンや看護師など、実に多様な職を渡り歩いたウンベルトは、その中で様々な「素材」や「物造り」に関する知識を蓄えて行った。
その後、それまで趣味として行ってきたフォトフレーム作りを生業とするため、妻エルザと共にボローニャの中心に小さなスタジオを開いたのが、1930年のことである。
3年後の1933年、ウンベルトは「フレームを持たず、金属製の土台で2枚の硝子板を挟んでいるだけ」という極めてユニークなフォトフレームを発表。“Lumaghen (ルマーゲン:小さなナメクジの意)”と名付けられたその作品は 、革新的なフォトフレームとして大きな話題を呼んだ。
それは写真が、それまで閉じ込められていた四辺の型から解放され、「透明な空中に浮かび上がるもの」へと進化した瞬間でもあった。
ウンベルトの創造力と粘り強さが実を結んだのは、翌年の1934年。イタリアに33店舗を構える百貨店UPIM(ウピム社)から、1,000個のフォトフレームが発注されたのである。その類稀な品質と美しいフォルムはユーザーの心をしっかりと掴み、「マスカーニ・ブランド」発展の足がかりとなった。